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Oct. 29, 2020

映画と舞台のハイブリッド『滝沢歌舞伎 ZERO 2020 The Movie』の撮影用カメラにARRI TRINITY が採用

古くから伝わる日本の古典芸能を独自に解釈した、現代的な歌舞伎エンタテインメントショーの映画版「滝沢歌舞伎 ZERO 2020 The Movie」。その未知の領域への挑戦を、TRINITYオペレーター木村太郎さんが迫力満点の作品に仕上げました。

Oct. 29, 2020

2020年に公開された「滝沢歌舞伎 ZERO 2020 The Movie」は、ロングランヒットを記録したあのスーパーエンタテインメントショー「滝沢歌舞伎」を映画化した作品です。ジャニーズ事務所がプロデュースし、日本のスーパースター・滝沢秀明が監督を務めた、ドラマとダンスが融合したこの話題作品は、ほぼ全シーンがステージ上で撮影されました。しかし、そこには、今まで経験したことの無い課題があったとTRINITY(トリニティ)オペレーターの木村太郎さんは語ります。

「舞台上での撮影は何度か経験があったのですが、歌舞伎のような伝統的な舞台は初めてでした。TRINITYは、ひとつの演目をカットを割らずに長回しで見せたいという滝沢監督の要望を叶えるには最適の機材だと思いました」

豪華な衣装とダイナミックなアクション、流れるような身体の動きで伝統的な舞台を現代風にアレンジしたこの映画は、ステージパフォーマンスと映画の新時代を切り拓きました。

「通常歌舞伎の舞台では花道を除き、観客は基本正面からしか演目を見ることができませんが、『滝沢歌舞伎 ZERO 2020 The Movie』 では、さまざまな角度から演者の手の動き、表情、全体のグループ感まで一度に表現することで、ファンの方が見たときに演目、演者のなかに入っていく錯覚を感じていただければいいなと思います」

「滝沢歌舞伎 ZERO 2020 The Movie」では、舞台と映画をうまく融合させるために、カメラワークを緻密に計算する必要がありました。「滝沢監督の求めるカメラワークには綿密な計算がされていて、1秒1秒を細かな指示のもと撮影しています」と、木村さんは撮影の裏側を語りました。「ローアングルから全体の引きのショットで入っていき、そのままこの訳者の目高まで上がって後ろに回り込みたいなどの、ノーマルのステディカムではできないショットを、TRINITYでは実現できました」

TRINITYを使用したことで、本作品のメインテーマの1つであるダンスシーンの高い精度を維持し、そのスムーズで自然な動きを強調することができました。「ダンスシーンではTRINITYを使用し上下移動と違和感のないスムーズな移動ショットを意識してオペレートしました。ダンスの撮影ではよく、どのように撮るか完全には決めずに自由に演者やダンスとセッションしながら撮影してくスタイルも多いのですが、今回はそのようなスタイルではなく、常に同じアングル、完璧なオペレートを求められました」 今回の映画は木村さんのオペレーター人生のなかでも1、2位を争う正確さと完璧さを求められる難しいオペレートになったといいます。「演者もスタッフも何度もリハーサルを繰り返し、本番では完璧を求められるといった緊張感がありました」

日本で最初のTRINITYオーナーとなり、木村さんにとってこのハイブリッドカメラスタビライザーは非常に特別な存在となりました。「上下の可動域が広いのでカメラワークの自由度に可能性を感じ、これは凄い”ゲームチェンジャー"になると思いました。やっと手に入れたときは嬉しかったです」と振り返ります。「コマーシャルやMV、映画の現場で使用してきた結果、やっと日本でも認知されてきました。いまでは日本にもオペレーターが増えたのでこれからもっとTrinityを使うショットは増えると思います」