「通常歌舞伎の舞台では花道を除き、観客は基本正面からしか演目を見ることができませんが、『滝沢歌舞伎 ZERO 2020 The Movie』 では、さまざまな角度から演者の手の動き、表情、全体のグループ感まで一度に表現することで、ファンの方が見たときに演目、演者のなかに入っていく錯覚を感じていただければいいなと思います」
「滝沢歌舞伎 ZERO 2020 The Movie」では、舞台と映画をうまく融合させるために、カメラワークを緻密に計算する必要がありました。「滝沢監督の求めるカメラワークには綿密な計算がされていて、1秒1秒を細かな指示のもと撮影しています」と、木村さんは撮影の裏側を語りました。「ローアングルから全体の引きのショットで入っていき、そのままこの訳者の目高まで上がって後ろに回り込みたいなどの、ノーマルのステディカムではできないショットを、TRINITYでは実現できました」
TRINITYを使用したことで、本作品のメインテーマの1つであるダンスシーンの高い精度を維持し、そのスムーズで自然な動きを強調することができました。「ダンスシーンではTRINITYを使用し上下移動と違和感のないスムーズな移動ショットを意識してオペレートしました。ダンスの撮影ではよく、どのように撮るか完全には決めずに自由に演者やダンスとセッションしながら撮影してくスタイルも多いのですが、今回はそのようなスタイルではなく、常に同じアングル、完璧なオペレートを求められました」 今回の映画は木村さんのオペレーター人生のなかでも1、2位を争う正確さと完璧さを求められる難しいオペレートになったといいます。「演者もスタッフも何度もリハーサルを繰り返し、本番では完璧を求められるといった緊張感がありました」